ロックバンドRIZEのベーシスト・KenKenが2025年8月5日、自身のX（旧Twitter）である宣言を投稿し、音楽ファンの間に衝撃が走った。
「私はベースマガジン及びリットーミュージックさんとは、今後お仕事をしないことに致しました」
突然の“絶縁宣言”。
その言葉は静かでありながら、どこかピリついた空気を孕んでいた。
KenKenといえば、2006年に最年少で「ベース・マガジン」の表紙を飾り、以降もインタビュー、レビュー、イベントなどで同誌と深い関係を築いてきた存在。2015年には、「時代を作る雑誌として、共に歩んでいきたい」とまで語っていた。
それだけに、この決別は単なる仕事上の“疎遠”ではない。明らかに「何かが起きた」ことを示している。
では、KenKenの怒りの裏に何があったのか？ 本記事では、SNSでの動き、ファンの反応、業界構造などをもとに、その“真相”に迫っていく。
■ 第一の憶測：「偉大なベーシスト100」ランキング事件
ネット上で最も多く囁かれているのが、「ベース・マガジン」の特集が引き金となった説だ。
その特集のタイトルは、
「偉大なベーシスト100人」。
国内外のベーシストたちが選出され、ランキング形式で掲載された注目企画だ。
しかし、そこにKenKenの名前は——なかった。
これは多くのファンにとっても意外だった。なぜなら、彼の実力、キャリア、そしてメディア露出を考えれば、選出されてもおかしくないからだ。
ネット上ではこの件を受けて、
「さすがにスルーされるのはおかしい」
「あの特集以降、態度が変わった気がする」
といったコメントが相次ぎ、KenKen自身も当時、どこか意味深な“匂わせ投稿”をしていたとの証言もある。
ランキングから外れたことによる「失望」や「不満」が、ついに堪えきれなくなった――そんな見方が強まっている。
■ 第二の視点：音楽業界の“静かな距離感”とトラブルの履歴
一方で、KenKen側だけが“切った”のではなく、**出版社側からも距離を置かれていたのでは？**という冷静な分析も見られる。
その背景にあるのは、彼の過去のトラブルだ。
2020年、KenKenは大麻所持で逮捕され、音楽活動を自粛。復帰後は表舞台に戻ったが、業界内での評価や扱いは以前とは確実に変化した。
今回の絶縁宣言も、「実はすでに仕事のオファーが来なくなっていたからでは？」との声が多く、
「一方的に“関係を切った”ように見せてるだけ」
「出版社から見放されたのかも」
という厳しい意見が相次いでいる。
エンタメ業界では、“扱いやすさ”も仕事の評価軸の一つ。
仮に技術や実績があっても、「SNSで感情的に発信する人」は敬遠される傾向があるのだ。
■ 第三の視点：ベース・マガジンとの“蜜月”がもたらしたギャップ
KenKenにとって、「ベース・マガジン」はただのメディアではなかった。
それは彼自身が、過去の投稿でこう綴っていることからも明らかだ：
「僕が17歳の頃、初めてインタビューしてくれた日から、本当に感謝しています」
「ベーシストって職業が本当にかっこいいってことが伝わってるね」
雑誌の存在を、単なる露出の場ではなく、自己表現の支えとして見ていたKenKen。
その分、「裏切られた」と感じた時のショックも深かったのかもしれない。
長年の信頼関係が、ランキングという“数字”によって冷たく切り取られたように感じたのなら、今回の発言も、感情の揺れとして理解できなくはない。
■ ファンの声：肯定と失望、そして冷静な観察
KenKenの発言に対して、ファンや読者からは様々な声が上がっている。
応援派：
- 「彼の音楽は本物。もっと評価されるべき」
- 「技術も表現力もトップクラス。メディアに左右されず頑張ってほしい」
疑問・批判派：
- 「いちいち公表する必要あった？」
- 「こういうのは大人として黙ってやってほしかった」
- 「イキってる姿が残念…成長してない印象」
冷静派：
- 「絶縁というより、関係が自然に終わったのでは」
- 「ファンもメディアも、片方の言い分だけで判断すべきではない」
■ KenKenは“敵”を作ったのか、それとも“道”を切り開いたのか？
KenKenの絶縁宣言は、音楽業界の構造や、アーティストとメディアの距離感について、多くの人に考えさせるきっかけとなった。
彼が怒りをぶつけたのは、ただのランキングではない。
「信頼」や「承認」を求め続けてきた存在からの無視や不理解だったのかもしれない。
その傷は深く、そして声として表面化した。
ただし、それが本当に「言うべきタイミング」だったのか？
黙って去る美学もあったのではないか？
この議論には答えがないが、確かなのは一つ。
KenKenは、ただ黙っていられなかった。
それが彼の生き方であり、アーティストとしての姿勢なのだろう。
■ 最後に──KenKen、音楽で語れ。
SNSでの発言が物議を醸す中でも、多くのファンがこう語る。
「やっぱり彼の音楽には力がある」
「音楽だけを聴けば、KenKenは間違いなく一流」
過去がどうであれ、態度がどうであれ、音楽で心を動かすことができれば、その価値は揺るがない。
KenKenが次に見せる「音」で、私たちはまた、彼の“本音”を聴けるのかもしれない。
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