2025年8月5日。
プロレス界に大きな衝撃が走った。
「橋本友彦、永眠」
所属団体・プロレスリングA-TEAMの公式発表は、まさに突然の出来事だった。
47歳。まだまだリングに立てる年齢だ。
それだけに、ファンや関係者の間には深い悲しみと動揺が広がっている。
本記事では、橋本友彦さんの死因、プロレス人生、そして知られざる人物像を、改めて振り返っていきたい。
■ 肝臓がんとの闘い――リング復帰を夢見た最期の日々
橋本さんが肝臓がんを公表したのは、2023年11月のこと。
患部を除去する手術を受け、一度はリングに戻ってくるという奇跡のようなカムバックを果たした。
だが、その奇跡は長くは続かなかった。
2025年5月、再発が発覚。以後はリングを離れ、治療に専念していた。
それでも――
橋本さんは諦めていなかった。
病室で「もう一度、シングルマッチをやりたい」と語っていたという。
そんな彼の復帰を信じて、8月24日には支援興行「橋本友彦AID大会」の開催も予定されていた。
「大丈夫!絶対に大丈夫!みんな待ってるよ!」
大会のサブタイトルには、彼を待ち続けた仲間たちの想いが詰まっていた。
■ プロフィール|橋本友彦という男
- 名前:橋本 友彦(はしもと ともひこ)
- 生年月日:1977年頃(没年47歳)
- 出身:非公表
- 格闘スタイル:柔道ベースのパワーファイト
- 所属団体:プロレスリングA-TEAM(設立者)
静かな物腰と、闘志むき出しのファイトスタイル。
橋本さんは、そのギャップもまた魅力だった。
■ 学歴・出身地は公表されず|“型にはまらない”レスラーのルーツ
橋本さんの学歴や出身地に関する情報は、公式には一切公表されていない。
ただ、柔道経験者であることから、高校・大学時代に柔道部に所属していた可能性は高い。
この“ルーツが不明”というミステリアスさも、彼が一部のコアなファンに愛され続けた理由のひとつかもしれない。
■ キャリア|メジャーより“表現”を選んだ、孤高のプロレス人生
◆ 2000年──JPWAでプロデビュー
橋本さんがリングに足を踏み入れたのは2000年。
故・木村浩一郎氏が立ち上げた「JPWA」でプロレスデビューを果たす。
◆ 2002年──DDT入団、個性派レスラーとして注目を集める
2002年には、当時から革新的なスタイルで話題を集めていたDDTに加入。
ユーモアとシリアスが交差する独特の世界観の中でも、橋本さんは芯の通った“リアルファイター”として異彩を放っていた。
◆ 2003年──総合格闘技へ挑戦、「あの男」との衝撃マッチ
キャリア最大のハイライトの一つは、2003年の年末。
格闘技イベント「INOKI BOM-BA-YE 2003」で、当時世界的にも注目されていたアリスター・オーフレイムと対戦。
大抜擢と言っていい試合だった。
当然、試合結果は橋本さんにとって厳しいものだったが、
「逃げない男」「挑み続ける魂」はこの試合で世間に焼きついた。
◆ 以後、インディー界で独自の道を切り拓く
- 「TEAM MAKEHEN」の旗揚げと主催
- アパッチプロレスでの活動
- そして2017年、自身の団体「A-TEAM」創設
メジャーに頼らず、自分自身で“戦う場”を作り上げた橋本さん。
その姿は、まさに職人。プロレスを“生き様”として体現する存在だった。
■ プライベート:結婚や家族は?
結婚歴や子どもについての詳細は、公には明らかにされていない。
だが、関係者の言葉や支援興行の企画内容から、橋本さんを家族のように支えていた人たちがいたことは確かだ。
「仲間を大事にし、誰よりも義理堅い人」
そんな人物像が、関係者や後輩レスラーたちの証言から浮かび上がる。
家庭という枠を超えた「もう一つの家族」――プロレスという世界に、橋本さんは“家”を築いていたのかもしれない。
■ 追悼のことば:「まだ、戦っている途中だった」
橋本友彦さんは、何度も壁にぶつかり、倒れ、
それでもリングに立ち続けた。
不器用だけど真っすぐで、派手さはないけれど目が離せない。
そんな橋本さんのファイトスタイルは、今のプロレス界ではむしろ貴重なものだった。
死は突然だったかもしれない。
だが、橋本友彦というプロレスラーは、「闘い」を途中で手放したわけじゃない。
最期まで“復帰”を夢見て、リングに戻る準備をしていたのだ。
【編集後記】橋本友彦さん、あなたの「生き様」は、間違いなく届いていた
華やかさを求めず、
評価を気にせず、
ただ「自分のプロレス」を信じて生きた橋本友彦さん。
あなたの試合を見て、
「こんなに必死に闘う姿があるのか」と心打たれたファンは、確実にいます。
“プロレスラーは死なない”
そんな言葉を、橋本さんの生き方そのものが証明してくれていたのだと思います。
心からの感謝と哀悼を込めて──
ありがとう、橋本友彦さん。
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